はじめまして、宝田スタジオ一階の住人
村上といいます。
普段はstudioBOWLという名前で内装デザイン、施工、店舗用の什器(お店で使うための家具)、オブジェの製作など空間に関わる仕事を手広くやらせていただいています。
こんなかんじですね。
詳しくはstudioBOWLで是非見てみてください。
話はちょっと変わるのですが、僕は今新しい活動として、
セレクトショップのオーナーになってみたい
と思い、動き始めています。
その思い立つに至った僕なりの考えを書きたいと思います。
なぜショップを立ち上げたいのか
もともと僕はガラクタを組み合わせることでオブジェや家具を製作してきました。その中で僕は、出逢うはずもなかった物同士が引き起こす必然とも思えるようなフィット感や、全く違う用途に起用することで生まれる物としての印象の強さに惹かれ、それらを自分が作ることで導いてあげるような仕事がしたいと考えていました。
学生時代に作った海に浮かぶブイを使った椅子:上
一輪車のフレームと鍋の蓋で作ったスツール:下
製作の過程でたくさんのガラクタを探して集め、その中心に身を置くようになってから、自分の仕事で一番重要な部分は、どうやってガラクタたちの寄せ集めを家具として成り立たせる作る”行為”ではなく、どういう組み合わせで物をレイアウトしたら、単体で見せるよりバランスよくかっこよく見せることができるかという”思考”の部分だという風に考えるようになりました。
studioBOWLとして仕事で空間のデザインをやらせていただくうちに、家具単体ではなく空間全体での思考をもつようになり、作る事で物を見せるのではなく、物をセレクトし、空間にレイアウトすることでどう見せるのか、”物をいつもよりよく見せる”そのために手を添えてあげるような立場で考えることのできる空間、セレクトショップを始めたいと思ったのです。
それはどんなショップなのか
僕のやりたいショップのことを書くにあたって、”じゃあ理想のセレクトショップってなに?”ということに対しての僕なりの考えを話したいと思います。
セレクトショップとは読んで字のごとく
アイテムをセレクトし販売するショップです。
セレクトのフィルター、空間の作りこみ、アウトプットの仕方等様々な方法でセレクトした商品達を繋ぎ合わせることで、そのショップならではのひとつの世界観が構築され、その世界観が洗練されていれば、全く毛色が別々のもの達が集められていても、感覚的に汲み取れるリンクが生まれ、心地よいショップとして感じられるようになります。
価値観の違いによるところももちろんありますが、街中でどういう基準で商品を選んでるのかが全くわからない、ただ商品が寄せ集められているだけのようなショップをよく見かけます。それは世界観がうまく構築できていないため、このリンクが切れている状態だと言えます。(利益をあげるため多くの流行の商材や、売れ筋のラインを世界観関係なく陳列しているタイプの店舗に関してはそもそも僕がここで挙げているセレクトショップとは違うので除きます。)
そして、それぞれのもの達が持つイメージがかけ離れてるほど、このリンクが成功した際の世界観のもつ魅力は強くなり、見た人に新鮮さや快感を与えてくれるのだと思います。
つまりセレクトが新しい価値を生み出すショップになるのです。
僕はこれを新しい”秩序”を作る行為だと思っています。
僕がやりたい、理想とするセレクトショップは、この新しい秩序をつくるショップです。
ショップを見た人は今までの自分の中にあった秩序にどう新しく得た秩序を同居させるか、そのために自分の中で価値の書き換えを行います。それは、日常の別のシーンでものを見る際、選ぶ際、捨てる際にもちょっとした変化を与えてくれるようになると思うのです。
僕がとても好きなショップのあり方としてD&DEPARTMENTをよくあげるのですが、初めて見た時、店舗デザイン、アイテムのセレクトなどを通してこんなにもコンセプトをダイレクトに伝えてくるショップがあったのかと感動したのをよく覚えています。普段は特に気にもしない日用品の中に潜在的なデザインの普遍性を見出し、改めて見させることでものに対し考え直すきっかけをつくる。本当に共感します。
僕のやりたいショップも考え方としてはかなりD&DEPARTMENTに近いです。が、決定的に違う点があります。
それは秩序の説明が可能かという点です。
D&DEPARTMENTのセレクトは前述した通りデザインの普遍性を見出せる商材のセレクトを通し新しい秩序を作っています。
僕のやりたいショップでは、僕自身の主観で感覚的に説明のできない秩序を生み出したいのです。
なんでこの商品とこの商品を選んできたのかわからないけど、この組み合わせが最高にかっこいいと感じてもらえるようなショップ。こんだけ前述しといて最終的に厨二みたいなこと言いやがってと思われるかもしれませんが、説明できないところからくるかっこよさというのが一番見た人の感覚に浸透しやすいと思うのです。
僕らしく始めるからにはこれしかないと思っています。
僕の始めるショップの名前は”THINGS”
THING=モノ THINK=考える の二つの意味を持った
ものを考えるためのショップです。
お楽しみに。
Posted by

村上 諒平
インテリアデザイン / 店舗什器制作 / 店舗施行
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